パロディの精神。
- Ryusaku Chijiwa

- 4月21日
- 読了時間: 2分
更新日:4月29日
2026年4月21日
マッド・アマノという名前に聞き覚えのある方はおそらく同世代かその上だ。1980年代に出版界を席巻した写真週刊誌は過当競争によるスクープ合戦が暴走するあまりに度を超えたセンセーショナルな記事(芸能人の不倫ネタから事件、事故での死体写真など)が掲載されて賛否両論が渦巻き、ビートたけしのフライデー事件によって写真週刊誌そのものが糾弾されるようになって一気に読者は離れブームは衰退の一途を辿った。現在も発行されている「FRIDAY」「FLASH」とともに「3F」の一つに数えられこの手の雑誌の先駆けとなったのが「FOCUS」で、その巻末に掲載されていたコラージュによるパロディ広告こそが「狂告の時代」――マッド・アマノ(天野正之)氏の仕事であった。1981年と言うと自分はまだ小学6年生、購読こそしないものの立ち読みで必ずチェックしていたのがこのページ。それとほぼ同時期に好きだったのが営団地下鉄時代(現・東京メトロ)のマナーポスター。映画を題材にしてタイトルをもじったりダジャレで表現してみたりといったところは共通していたが「狂告の世界」では実在の芸能人や政治家などを徹底的におちょくっていたのが特徴だ。ただ当時はPhotoshopもないしPCで作業するわけでもなくアナログな切り貼りといった作風はピタリとハマれば笑えるもののどスベリしていることも時々あったりした。が、それでも面白がって愛読していた。その後FOCUSは2001年に廃刊、記事を集大成した本が出版されたことは知っていたが欲しいなと思っても手に取ることはなかった(書店で見かけぬまま)。あれから四半世紀、ふと思い出して当時を懐かしもうと今回ようやく取り寄せたのがこの「新しい歴史狂科書: FOCUS狂告の時代’81~’01」。大いに笑ってやろうと思っていたがネタはどれもすっかり古臭い上にかなりの数の作品が掲載不可なのか見覚えのあるものがあまりに少なくガッカリ(本当にこれだけ?)。この書籍の発売は2002年のこと、時代も大きく変わり当然のことながら肖像権の問題はもとよりコンプライアンス的な意味から記事をそのまま掲載するには障壁が多かったであろうことは想像に難くない。パロディの笑いとは本来高尚なものなのに、つまらない時代になってしまった。ただその精神は各方面で受け継がれているはずだ。パロディとは批判精神でありまた批評精神の高い次元にあるもの。あらゆる事物に精通していなければ成り立たない。コミックバンドもまたしかりで多岐にわたるジャンルの演奏力が必要となる。パロディとユーモアのセンス、常に忘れないようにしたいね。





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