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おねぼうジーン。

2021年2月2日


時は1980年10月。ある日の新聞のテレビ欄に、17:30 [ 新 ]「ザ・モンキーズ」とあるのを見つけた。ちぢぃーは当時小学5年生。どんな番組やらまったく見当がつかないのに、直感で何やら面白そうだと感じ、帰宅後それを見た。そう、1966年に放送されて世界的な人気を博したシットコム(シチュエーション・コメディ)「ザ・モンキーズ・ショー」である。内容は毎回ほぼドタバタ調の喜劇で、随所に彼らの楽曲が差し挟まれるという構成。内容はほとんどないけれど、弾けるような若さとエネルギーが爆発し、キャッチーな楽曲の軽快さも手伝ってすぐに彼らのファンになった。奇しくもコダック・フィルムのCM挿入曲に「デイドリーム・ビリーバー」が使用され始めていて、あのグループは一体誰だ!?という空気が高まりつつあった絶好のタイミング。1970年に解散してからちょうど10年後、にわかに日本で巻き起こったリバイバル・ブームは熱狂的なものだった。ファンクラブが結成されてフィルムコンサートなどのイベントが行われる一方、日本未公開だった彼らの主演映画「HEAD」が日の目を見たり、TVショーの再々放送を求める署名運動が起きたり、東京12チャンネル(現・テレビ東京)の「おはようスタジオ」のモンキーズ・コーナーはミッキーとデイビーをスタジオゲストに迎えるに至り、再発されたオリジナルアルバム7枚がオリコンアルバムチャートトップ100に同時ランクインするというほどの人気ぶり。ビートルズとは違い「作られたグループ」と揶揄されることは多かったものの、その影響力は絶大だった。神保彰氏は「モンキーズのテーマ」のドラムに触発されたと語っているし、高橋幸宏氏も好きだったと発言している。若き日のジュリーこと沢田研二が在籍していたザ・タイガースもその「モンキーズのテーマ」を歌詞を変えて歌っていた。小学生のちぢぃー少年もご多分に漏れずファンクラブに入会してフィルムコンサートに出掛け、通販で取り寄せたロゴ入りのTシャツを得意気に着てカセットテープに録音した彼らの曲を飽きることなく聴いていた。


2021年の今日において最も知られている彼らの曲はやはり「デイドリーム・ビリーバー」だろう。しかしそれは忌野清志郎によって日本語に訳されたもので、さらにはそのカヴァーバージョンがセブンイレブンのCMソングとして店頭で繰り返し流されている。少年時代に追いかけたザ・モンキーズの代表的なナンバー。しかし日本語訳バージョンではその世界観やリリシズムを表現できているとはとても言い難い。自分が中学生くらいだったか、「ミュージック・フェア」か何かでこの曲が流れた時、サビの訳詞が「おねぼうジーン」だったのがとても印象深く、なるほど原曲の雰囲気を損ねてはいないなと感心したものだった。


この曲はぜひオリジナルの演奏、オリジナルの歌詞で聴いていただきたいと願うばかりだ。



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