TBBT ファイナルシーズン―最終回「ストックホルム症候群の法則」

更新日:2月20日

2021年2月19日


【本内容にはネタバレが含まれます。視聴前の方はご注意!】


夕方18時30分からの放送―― 視聴し終わりました。何から書けばいいんだろう。書き終わってしまったら、もう本放送についてではなく、過去の放送について振り返るだけの人になってしまう。いやそれは考え過ぎか。ジュニアの頃から現役であることにこだわり、自分の過去の出演作についていつまでも語ることはするまい、役者として現在進行形でありたいと意固地に思い続けてきたけれど、そんな独り善がりの思いが世の中の何に影響するのだ?と考えれば実に馬鹿げたこだわりだということに気付かされる。少なくとも、「ビッグバン★セオリー」を観て、レナードの声の人って一体どんな人物なのだろう?という興味を持ってこのブログを覗いてくれる人達がいるとすれば、僕が作品について言及する文章を読みたいと思うだろう。それに自分は応える。ただそれだけのことではないか・・・! 前回のエピソードから二か月後。スウェーデンからの吉報を受けて晴れて授賞式へ臨むことになったシェルドンとエイミーは、レナードとハワード夫妻、ラージを帯同することにし、皆はその準備に追われる。このシーンで、ドレスの採寸に行ったエイミーがサイズを詰めたのに対し同行したペニーは広げた、という台詞に絡めてレナードとペニーの愛の結晶(!)の誕生を示唆する。これまでペニーが自分たちの子どもを望んでいないことで度々レナードと衝突する場面が描かれてきたが、ここにきてサプライズ。だがこのエピソードにおいてはイベントにせず、あくまでサラリと表現しているのがポイント。祝福する素振りさえ見せないシェルドンにレナードは怒り、これまでの彼の自分勝手な振る舞いに不満を爆発させる。ハワード夫妻にもトラブルが発生し、皆が授賞式を欠席すると言い出して――。様々に伏線を回収してきた今シーズンも、いよいよ最終エピソード。時に我儘な駄々っ子のように周囲に対して冷たく振るまってきたシェルドンが、いかに皆に助けられ、愛情を注がれてきたのかを静かに諫めるエイミー。そして授賞式、エイミーの聴衆に力強く訴えかけるスピーチに続いて、90分にも及ぶ原稿を準備してきたシェルドンが静かに、ゆっくりと語り出す・・。


胸が一杯になる。シェルドンがかけがえのない親友たち一人一人の名前を呼ぶ、涙なくしては見られないシーン。「ビッグバン★セオリー」という作品が素晴らしかったのは一流のキャストによる見事なキャラクター創造と表現の面白さにあったことは言うまでもないが、全12シーズンを通じて常々、痛感していたのはその脚本の見事さだ。コメディ作品でありながら色々と考えさせられたり、時にホロリとさせられる。これはズルい。心を揺さぶられてしまう。ああ、何と爽やかな幕引きなのだろう。何と素晴らしい脚本なのだろう。これまでにあったコメディ作品でも、病気やトラブル等でキャスト交代を経ての終了(「スピン・シティ」「チャーリー・シーンのハーパー★ボーイズ」)や9.11の社会的影響を受けての打ち切り(「ふたりは最高!ダーマ&グレッグ」など)があったりと、2000年代に入ってからコメディ不遇の時代が続いていた米国において救世主のごとく現れたのが本作だったのだ。笑いに飢えていた人々の渇きを十二分に癒して、全12シーズンを駆け抜けた「ビッグバン★セオリー」は今、静かにその幕を閉じようとしている。悲しみはなく、笑顔でのお別れだ。


エイミーとシェルドンのスピーチの場面は聴衆の大喝采を浴びながら感動の余韻を残しつつフェードアウトする。そしてアイキャッチが明けてからの、短いエンディング。一瞬、このシーンをすっかり忘れていた。もうすべての場面は終わり、台詞もなく、いつもの和やかな一同の姿がズームアウトしていく。声を上げて泣いた。これには参った。このブログに書き起こすためにもう一度録画を見直したいけど、またこれを見るのは辛すぎる。思い出すことがありすぎて、様々な思いがこみ上げて胸が一杯になってしまう。結局翌日に見たけれど、やっぱりここで泣いてしまった。ここに至るまでの過程をじっくりと描いての大団円。本当に素晴らしい脚本の、これ以上にないエンドマーク。シェルドン、レナード、エイミー、ハワード、バーナデット、ラージ、その他すべてのキャラクターが愛おしい、ご一緒をさせていただいたすべての共演者の方々が恋しい!声優・千々和竜策にとって様々な人と出会い、同じ時間を共有し、多くの事を学んだかけがえのない作品。放送は終わっても、作品は永遠にその輝きを放ち続ける。どうかこれからも「ビッグバン★セオリー」を末永く楽しんで、愛し続けて欲しい。レナード ”リーキー“ ホフスタッターは、いつでもここにいるよ




ありがとう。


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