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非願成就の日。

2026年2月19日


過去にもこのブログで幾度となく書いてきたネタでもあるので改めて書き出すと際限がなくなってしまいそうなので自制しつつ。内容が重複している件についてもどうぞご容赦を。

少年時代のオトコノコ(あるいはオンナノコも)の憧れの象徴でありまた必需品でもあった「ラジカセ」――そう、ラジオカセットレコーダーは日々の生活において自分と音楽を結び付けてくれる無くてはならないものだった。アナログレコードからダビングした音楽を聴きラジオのライブ番組でエアチェックをした音源を楽しみ、バンド活動におけるスタジオ練習やライブ演奏を記録するツールとしても大活躍した。そしてその後のウォーキングステレオの台頭、コンポーネントオーディオの衰退、そして携帯プレーヤー時代の到来。いくら技術が進歩したり音質が向上したと言っても、胸躍るような「ワクワク感」を抱かせてくれるのはやはりこのレトロなデバイスなのだ。近年レコードやカセットなどのアナログ記録媒体が見直され始めたことも手伝って安価でかつBlutooth機能を備えていたりUSBやSDカードにも対応出来る最新式の「令和版ラジカセ」も様々なメーカーから発売されるようになったが

その存在感は「当時物」の圧倒的な魅力には到底及ばぬもの。自分が多感な少年時代に毎日欠かすことなく触っていた懐かしいラジカセをもう一度手にしたい。あのラジカセで音楽を聴きたい――ジャンク品として用途の無くなった筐体を手に入れてからもう十数年。

一度、期待に胸を膨らませて修理を依頼した専門業者は預かりから二年間進捗の連絡もなく修理の見通しも立たずで何もせぬまま引き取ったという事があって、そのショックからオーバーホールに出す熱意もすっかり冷め、僕のラジカセの時間は十年前から止まったまま。


その止まっていた時は、今年になって期せずして動き出した。

某オークションサイトでラジカセの修理品をあれこれ見ているうち、売り手のプロフィールを見ると安価で直しますと書いてある。出品している修理品も相場より格安になっている。こんな良心的な人が本当にいるのか?ダメでもともとだ、と連絡を取ったのがこの二月。

そして――― 戻ってきたのです。

深い眠りから醒めて、あの懐かしいラジカセが時代を飛び越えてこの手に帰ってきたのだ!


待てば海路の日和あり

とは言うけれど、この日が来るまで一体どれだけ待ったのか。

もう言葉がない。

胸が一杯だ。

感慨無量、それに尽きる。

やっと終わった、これでやっと終わった。


一台はアイワのCS-J36。中学二年の時に買ってもらった、待ちに待ったステレオラジカセ(その前は小学4年生の時に手にしたサンヨーのMR-203という格安モデルのモノラルラジカセ)。シャープの「ザ・サーチャー」などに代表される大型ラジカセの流行りはすっかり落ち着いてファッショナブルな小型タイプのラジカセが主流になっていた頃、ソニーのCFS20にするか迷った末にデザインで勝る「フットワーク」シリーズのこの子に決めたのだった。機能はシンプルだが何より澄んだ高音が綺麗で大のお気に入りだった。


そしてもう一台はサンヨーのMR-U4MKⅢ。デザインはまさに「ザ・昭和」のポータブルラジカセを象徴するもの。こうした鮮やかなカラーリングもU4シリーズが取り入れたのが先駆けとなって一大ブームを巻き起こしてQT(シャープ)やシュガー(東芝)など他社が次々と模倣したシリーズを投入したほど。当時は女の子がこぞってこうしたデザインの物を持っていたので、オーディオ機器としての性能を後回しにしているなどと思い込んでいたけれど、末広がりのダブルのアンテナといいスタイリッシュなデザインはピカイチだよね。


一台修理するだけでもその修理費用や実際に直してもらえるかなどを考えるとハードルが高いことなのに、思い入れのあるかつての愛機とデザイン性で抜きん出た存在感を持つ一台とがともに息を吹き返して手元に戻ってきた。U4は修理品として流通しているものでも多くが部品交換が出来ず手つかずとされることが多いAMSSの自動選曲機能もICの修復でちゃんと直っている。トルク不足のスピーカーも交換してもらって迫力が増している。素晴らしい。これ以上にない仕事ぶり、レストア品を扱う有名サイトの修理料金の一台分以下の予算で受けて貰えたこと、これが何より最高だ。金ばかり取る修理業者は反省して欲しい。

ああ、生きているうちに色々な事が果たせていくのは本当に嬉しい。


ありがとう、ありがとう。そしてもう一度、ありがとう――

上は山下達郎、下はYMO。気分は昭和なり。
上は山下達郎、下はYMO。気分は昭和なり。


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