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中華の鉄人を悼む。

更新日:2023年3月16日

2023年3月14日


著名な中華料理人である陳建一さんの訃報を聞く。日本における四川料理の父と呼ばれ広く親しまれた陳建民氏の息子にして料理研究家、タレントとしての顔も持ち、一大グループ企業となった赤坂四川飯店、陳建一麻婆豆腐店の総帥としても知られたが、人々の記憶に鮮烈に残っているのは何と言ってもかつての人気TV番組「料理の鉄人」への出演をおいて他にないだろう。オンエアは1994年から1999年の6年間。早いもので30年近くも前になってしまうが、かく言う自分もこの番組が大好きで夢中で見ていたもの(自分のバンドのライブを鉄人仕立てにして鹿賀丈史のコスプレでオープニングムービーまで作った)。今にして思えば料理対決というドキュメンタリー的な内容も随所に様々な演出がなされており、台本に沿ったショー番組であったとしても実に良く出来た番組だった(構成はうどん熊奴を名乗っていた小山薫堂)。当時バブルは弾けていたがグルメブームはまだ続いており、和の道場六三郎、フレンチの坂井宏行らとともに披露する独創的な料理は毎回驚きに満ちていた(初期、道場さんが鮪のトロを湯葉巻きにしたりチーズ鍋を作ったりするアイデアには呆気にとられたものだった)。自分は食べることが好きであったうえ料理することにも興味を持ち始めていた頃で、食にまつわる雑学はレシピ本の類ではなく漫画の「美味しんぼ」やこの「料理の鉄人」で培ったといってもいい(同じ世代にこうしたご同輩は非常に多い)。番組の関連本も数冊購入したが、公式ガイドブックよりも「街場の新・料理の鉄人」という一冊を読んで鉄人推薦のお店(当時八王子にオープンしたばかりの「趙楊」や中目黒の「鳥よし」、五反田の「フランクリン・アベニュー」など)へとわざわざ足を運んだものだった。さらには刺客というキャラ付けでも人気があった周富徳さんの本も買って、鮭チャーハンとエビのオーロラソース(エビマヨの元祖)をレパートリーにしたのも良い想い出だ。番組の協賛企業としてテロップに登場する横浜中華街の照宝で買った蒸籠(せいろ)は今もなお我が家で現役の30年選手などなど・・・この番組がもたらした影響は計り知れないものだ。


道場さんや坂井さんのお店は行けずじまいだが、陳さんの赤坂四川飯店はバイト時代の食事会で一度訪れているうえ、陳建一麻婆豆腐店はオープン当初から現在も時々利用している。

この十年ほど、麻辣ブームでホアジャオ(花椒)を必要以上に利かせる料理や菓子類が蔓延しているが、陳さんのレシピはそうした流行りに左右されるものではない。辛味よりも旨味が立ってバランス良く、ホアジャオも刺激が強すぎることなく香りを引き立てているのだ。

親しみやすく明るいキャラクターの陳さんの姿を時々テレビで見ると何だか嬉しくなったものだけど、それは何よりご本人の人柄あってのものだったね。ご尊父以上に日本の中華料理界に果たした功績は大きい。それゆえに訃報に接しての寂しさもまたひときわ大きい。。


今年は例年になく芸能界、音楽界などの著名な人々を見送ることが何故、こうも続くのか。自分が歳を取ったと言えばそれまでだけど、それにしても多過ぎやしないだろうか・・・?


陳さんの思い出を振り返りつつ、仕事合い間のランチはこちらにしました。美味! 合掌。



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