2021年1月20日
これは昨年の秋には聞いていたのだけど、備忘録がわりに記しておく。自分が2015年に泊まった北海道の美幌グランドホテルがコロナ禍の影響を受け、残念なことに昨年5月閉館していたというニュース――1972(昭和47)年に開業、併設するボウリング場が開業した1970年からちょうど50年。宿泊業のみならず宴会や様々なイベントを通じて地元の人々に長く愛されてきた施設が静かにその歴史を閉じたそうだ。ちぢぃーが泊まったのは一度だけ、フュージョンバンドの合宿を兼ねた観光旅行ながら、朝一で出掛けて夜0時近くに戻ってくるという目一杯のスケジュールで部屋でのんびりすることも課題曲のおさらいをすることも全く出来ずで(まあそれは案内してくれたキーボーディスト氏なりに考え抜いたおもてなしだったのだろうけど)、目まぐるしく過ごした二泊三日の旅だった。もともとは氏が毎年夏は郷里で過ごすので地元のライブハウスでの仮想ライブを兼ねて観光地めぐりもしようじゃないかとお誘いを受けてのこと。加入して間もないベーシスト氏と三人、濃密な時を過ごして結束を強くしたはずであったのに、旅行の直後バンドは分裂。リーダーだった自分はもはやこれまで、と解散を決めた(それまでに色々と思うところはあったし)。自ら決断したとはいえ今後の活動に大きな期待を持っていた自分のバンドが消えてしまったことはかつてないほどのショックで、それ以来しばらくカシオペアの曲は一切聴けなかったほどだった。あれから5年、今にして考えると良い思い出だったのかなと振り返ることが出来るようになったのはせめてもの救いか。全員が驚くほどのテクニシャンだったし演奏は本当に楽しく、ごく短い期間ながら満ち足りた時間を過ごせた。自分のわずかな人徳といおうか、心許ないばかりの求心力では1年間が限界だったのかなと今でも思う。神様はいつもその人の身の丈に見合った場所をお与えになる。そういう意味では、自分はその程度だったのだ。
人生60年を一区切りだとすると、タイムリミットはあと9年。果たして自分はもう一度、自分が理想とする演奏の出来るリーダーバンドを組むことが可能なのであろうか?
二日間、朝食は全く同じメニューだったな(笑)全40室の、こじんまりとしたホテルで、利用客もまばらだった。美幌は自然豊かな道東の静かな静かな場所。初めての北海道への旅、札幌や小樽の華やかなイメージとは全く違っていて、さすが北海道は広いと思ったね。
とにかく車での移動に次ぐ移動。一日中走っても、巡る場所はどこも似たような景色(笑)喧騒を離れた最果ての地という印象が強かった旅行。「ステレオタイプな北海道のイメージを紹介したくない」という氏の強い思いがあったようだったけど、最終日の夜はさすがに「せめて一度だけでもお寿司を食べたいのだけど・・・」とリクエストをして回転寿司に行ったっけ(お子様なので)。長い長いバンド人生でようやく経験することになった理想的なバンドだったけど、その分まとめるにのも苦労したものでした。レギュラーバンドもなく腕もかなり鈍ってしまっているけど、夢は捨てていない。いつかまた、きっとその日が。
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