2023年11月23日
母を見送ってからあっという間に一年が過ぎた。去年のこの日の記憶は朧げになりつつあるが、少なくとも今年より肌寒かったはずだ。一周忌の法要を営む実家へ向かう道、銀杏並木を見上げながら(こんな景色を目にした覚えはないな)などと思いに耽る。深く考えてしまうと心は悲しさに支配されてしまうし、当時の様々な出来事を思い起こせば複雑な心境にもなる。母が安らかに眠ってくれることが何よりだが、その母に自分が無事に日々を暮らしているよと言う報告が出来ないことが何より情けなく感じてしまう。いや、糧を得るための仕事はしているし、病気もなく毎日を過ごせてはいるけれど――胸を張って、立派に、生活に余裕があって、日々充実した、自分の理想とする生き方が出来ているよとはとても言えないところに、いつになっても母は安心して息子を見守ることが出来ないのだという絶望感に襲われる。少しでも、ほんの少しでも浮上したいともがきながら歩を進めているつもり。しかし結果はすぐには出なくとも、いつまで経っても出ないというのはその生き方が間違っているということ・・・そんなことに思いを巡らせても結局は何も変わらない。法要の三時間前に実家に着いたので、床の掃除、台所の掃除、トイレの掃除をして簡単に片づけを済ませておく。自分に出来ることはせいぜいこれぐらい。目の前の出来ることを、ただやるだけだ。
ご住職の読経もわずかな時間。食事を摂ってからそのまま夜勤に出る、忙しい一日でした。
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