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青春の幻影。

更新日:2021年3月22日

2021年3月20日


東京都内でありながらほぼ神奈川県に抱え込まれるような立地であることから町田市はここ神奈川にとっては身近な街である(それゆえ、都民には田舎扱いされる)。JR町田駅はその昔は原町田駅という名称で現在のミーナ町田の辺りにあったが、1980(昭和55)年に移転され、より小田急線の町田駅に近くなり乗り換えの利便性が向上した。自分はかつてJR横浜線の隣駅(※中間に成瀬駅が出来たのは1979年)の長津田に住んでいたため、母の買い物によく付いていった。ジョルナがさいか屋で、旧トポスがダイエーだった頃。マクドナルドがまだ珍しく、サンリオショップの「メルヘン」は女の子の憧れの店、まだ都南デパートが現役だった時代・・などど地元民しかわからぬことをつらつらと書いても仕方がない。この日、小田急線町田駅の目の前にあったジーンズショップ・マルカワ本店が閉店の日を迎えると聞いて、ふらりと見に行った。昭和36年に本店開設、このビルに建て替えられたのは昭和55年、「60年の歴史に幕」とニュース記事に書かれていたが、長らく町田のランドマーク的存在だったことは確かだ。自分で衣料品を買うようになったのは高校生の頃、少ない小遣いとバイト代は趣味のバンド活動に消えてしまい、お洒落を楽しむなんて余裕は全くなし。それでもジーンズだけはこの店で質の良いものを安く買うことが出来た。2nd Classと書かれた規格外品、つまりアウトレット商品を扱っていたのだ(千円、二千円という破格!)。

ストーンウォッシュやアイスブルー、スリムフィットと流行は移り変わっても、ジーンズを買うのはずっとここ。エドウィンやラングラーが中心だったけど、時々リーやリーバイスの掘り出し物を見つけた時はホクホクだった(初めてホワイトリーバイスを買ったのも確かこの店)。専門学校が沿線の橋本駅からのバス通学だったので帰りに寄る機会が多く、本当にお世話になった。ジーンズメイトやライトオン等の競合店が台頭したこと、B級品はアウトレットショップに流れるようになったこと、そして今日に至るファストファッションの隆盛もあって、いつしかマルカワに足を向けることがなくなってしまった。近隣で複数の店舗が営業していたものの結局この本店だけが残る形になっていた。場所が良いので時折覗くことはあっても、購入するのは稀だった。営業最終日の今日も別れを惜しむ人が来ているかなと思ったがそうした客の姿もなく・・・丁度ベルトが欲しかったので見てみたが、目ぼしい物は特になく。歴史ある老舗がその役目を終えるというのはこういうことなのかな、と考えると少し寂しくなった。たとえ安価であってもジーンズは良いブランド物を履くべきという事を教えてくれたことに感謝。本当にお世話になりました。長い間、どうもありがとう。


エレベーター内から見えるドーム型のマクドナルドも長きにわたって親しまれている町田のシンボル(名物の「ウォークスルー」は誤用だと思うけど)。時代は移り行くものなのだ。


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