2023年8月18日
この二カ月ほど自分が足繁く通っていたのは同じ県内でも都心とは全く逆方向、自然豊かな観光地で思い入れのある場所。自宅から一時間半ほどの移動距離であれば何も都心方面だとこだわる必要はないじゃないかという新たな考えと、もう雑然とした環境で心をすり減らすのにはほとほと疲れてしまったという思いが重なってのことであった。しかし現実では自分は全くその地で受け入れられることはなく、連日の移動のバスの中で(これは自分の単なる片思いに過ぎないのだろうな)という諦めの気持ちも抱きつつあった。ここは本来、観光で訪れる場所――あなたが通う所ではないのよ、ごくたまにイベントとして足を運ぶべき地なのだから・・と諭されているような感覚すら覚えていた。何もかも希望を失って冷静な判断力を失っていた?いや、こちらはあくまで真剣に、何とか迎え入れてもらおうとドアを叩き続けていたのだけど、それは単なる一方的な思い込みであったのだ。この日、憧れの地から遠く80キロ近く離れた場所で思いもかけず僕は終戦を迎えた。幕切れはあまりにもあっけないものだった。約四ヶ月、こんなにも苦しく、切なく、情けない思いをしながら過ごしたことを決して忘れずにいよう。立ち上がり、またゆっくりと歩き出そう。真摯に、謙虚に。
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