本物であること。

2021年2月6日


スティーブ・マックィーンの熱狂的ファンを公言している自分。とは言え、彼のフィルモグラフィーの中で好みの作品はと言うとかなり偏りがある。西部劇だと「荒野の七人」よりも「ネバダ・スミス」の方が断然好き。現代劇だと「タワーリング・インフェルノ」でのスーパーヒーローぶりより「ハンター」「ゲッタウェイ」などのザラリとした人間味のある方が好き。反対に、何度観てもどうにも苦手なのが「華麗なる賭け」「シンシナティ・キッド」で、奇しくも両作品はいずれもノーマン・ジュイソンが監督を務めたもの。カメラワークとカット割りに凝り、いかにも器用にスタイリッシュに映像をまとめ上げたという部分がどうにも押しつけがましく、マックィーン本来の魅力とはかけ離れているような気がするのだ。特に「華麗なる~」はフェイ・ダナウェイ演ずる保険調査員のビッキーが銀行強盗の首謀者はトーマス・クラウン(マックィーン)であると一発で見抜き、あとはただただ、お互いの駆け引きというプロットが質の低い少女漫画のように陳腐で嫌いなのだ(ダナウェイも魅力的に思えない)。ファッションと音楽は今もなお語り継がれるほど上質でお洒落なのだけど個人的にはお洒落過ぎやしないかなあと思ってしまう。そんな自分であったが、興味本位でマックィーンが劇中で使用しているサングラス(ペルソールのPO714)のレプリカモデルというのを入手してみた。手にしてみると、フォルムはそっくり同じでも鼈甲の模様がかなり雰囲気の違ったもので、何よりレンズがミラーレンズなのだ(本来はブルーのグラデーション)。ちょっと頑張れば本物は手に入るというのに、金を出してこんな中途半端なものを買った自分が情けなくなった。フェイクは所詮、フェイクでしかない。本物を求め、自分も何事も本物であるべきだという矜持を忘れてはならないのだと、改めて悟ることになった。


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