2021年10月12日
手巻きでもない、クォーツでもない、「自動巻き」の時計を今年始めて持ったのだけれど、これは身に着けているだけで腕の動きによって自動的にゼンマイを巻き上げてくれる機械式の腕時計のことだ(高級ブランド時計に採用されていることで知られる)。何もかもがデジタルの時代に、このようなアナログな機能の時計が珍重されるのも面白い。だがこれは日常使いにしていないと二日もすれば止まってしまう。毎日必ず腕時計を着けて出掛けるわけではないので仕方のないことだけど、どこか命の灯が途絶えてしまったような寂しさがある。
お前は日々を生きているのか?歩みを止めていないか―?そんな風に訊かれているような気がして、何故だか少し悔しくもある。自分でゼンマイを巻いてやれば済む話なのに、日々を無為に過ごしていることを責められているのではないかとさえ思ってしまう。考えている、様々なことに思いをめぐらせている、夢は捨てていない、希望は持っている、そしてこんな自分をまだ信じている。人生を切り拓くのは自分、自分を救うのも自分だ。歯がゆくもどかしい日常を送りながら、それでも生きてやろうと思っている。時間を、止めてなるものか。
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