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富士には月見草が良く似合う。

執筆者の写真: Ryusaku ChijiwaRyusaku Chijiwa

更新日:2019年5月17日

2019年5月15日


ぐっすり眠った翌朝は一転、青空が広がる好天。部屋の窓からは昨日全く見えなかった天下の霊峰が仰ぎ見えることに驚き、今朝は、やけに富士がはっきり見えるじゃねえか、めっぽう寒いや、などと太宰の言葉をそのまま反芻してみたりする自分がいる。「富嶽百景」は高校の国語の教科書に載っていて、あの独白調の、いやに句読点が多い、デカダンな文章には随分と影響を受けたものだった。太宰の他の著名な作品にはほとんど馴染んでいないのに、これだけは、違った。(当時)一学年が3クラスしかない私立の男子校で、スパルタ式の軍隊のような教育を受けながら、誰一人として心を許せる仲間もなく、己の居場所を何とか見つけようともがいていた自分にとって、太宰のぼそぼそと呟くような煩悶や、あらゆる他の事物に対して毒づき、虚勢を張る姿に、どこか自分を重ねて見ていたのだった。そう言えば当時、敬愛する山本學さん(「白い巨塔(1978年版)」里見助教授役)の朗読による「富嶽百景」のカセットテープを愛聴していて、それをMDにダビングしたものを先日、10数年ぶりに聴いて懐かしんだばかり。その昔、太宰が逗留した天下茶屋にも行ったんだっけな。


朝風呂の露天に行くと、ちょこんと頭の部分だけ、富士。湯に浸かると見えない。


この日も具体的な予定はなし。ぐっすりと眠ってしっかり骨休めはできたし、昨日フラれた炉端焼き屋は本日定休日だし、あとは奥さんの希望に委ねることにすると、富士急ハイランドに行きたいとのリクエスト。何でも、絶叫系コースターに乗りたいという。おぉ、富士急へは開業間もない「FUJIYAMA」に乗って以来だから、記憶が確かならば1997年頃を最後に自分は22年(!)、ご無沙汰だったことになる。確かに、後発のドドンパ(2001年開業、現ド・ドドンパ)、ええじゃないか(2006年開業)、高飛車(2011年開業)と次々と導入されているのは情報として知ってはいても「いつか乗らなきゃだけど、FUJIYAMA乗ったしなぁ~」と、はるか昔に切れた定期券がまだ使えているかのようなズレた感覚でいた自分。どうせならばと、最新の「高飛車」にチャレンジすることにした。果敢な49歳。心配なのはグルリ・ゲロリ(ニコロデオン「オール・ザット!」のネタ)にならないかという点のみ。コースターの類はまあ何とか免疫があるけども、フライング・パイレーツやロックンロールといった類のアトラクションは吐き気を催してしまうので全くダメ。でも、最新鋭の絶叫系コースターは多彩な動きをするのが特徴だろうから、ちぢぃーが耐えうるかどうか。

かくして、平日の午前10時半に並んだにもかかわらず、実に80分もの待ち時間を乗り越えて、いざ、乗車!



どわーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!!


いやもう、やられました。参りました。足元がフラつきます。ボーゼンとして、全身打ちのめされた感覚。こりゃ凄い。。何が凄いかって、ここまでされて吐き気を催さないところ。頭を思い切りシェイクされたような衝撃は夜まで残ったんだけど、それで健康を害するとかめまいの症状を残すとかは一切ない。人間の限界の、ギリギリのところを突くよう緻密に、微細に研究し尽くしているのだ!(大袈裟?)うーん、あと22年乗らなくていいや(笑)


園内には、バエるポイントがたくさん。しかし、バエるって言うな!


残念ながら国内の店舗はここだけになってしまった、プレッツェル(プレーツェル)のお店「アンティ・アンズ」。過去に一度、撤退しているんだよね。流行らないのが悲しい。


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