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執筆者の写真Ryusaku Chijiwa

嫌なことは忘れよう。

更新日:2020年7月21日

2020年7月19日


こんな年齢(51歳)になっても、職業柄どう公平に見ても理不尽だなと思える扱いを受けることがあります。それに対して声高に反論できないという立場もあり、怒りを覚えるというよりも悲しさや寂しさ、そして己の情けなさを嫌というほど感じいたたまれなくなります。

色々言いたいこともあるけれど、実績がすべての世界に生きている以上、何を言っても結果を出していなければ所詮、負け犬の遠吠え。結局は自分がもっと仕事をして、もっと有名になり、もっと成功すれば起こらないこと。コイツを敵に回してはいけないなとか、売れているから媚を売って親しくしておこう、と思わせないといつまで経っても負け組の一人でしかない。10年ほど前にある劇場用アニメのオーディションを受けた時のこと、指定された入り時間よりも少し余裕をもってスタジオに入って待機をしていたが、その後から続々と遅れてやってくる同業者があるたびにキャスティング担当の方から「千々和さんより先に、いいですかね?」「あ・・はい」と、言われるままに一人、二人、三人・・・。自分は無名で業界への影響力など全くない声優なのだ。後ろ(のスケジュール)だって何も無いから、悲しいかな時間の心配も全くない。一体何人先に回されただろうか、自分が指定された時間よりも1時間は待ったと思う。肝心のオーディションも実にアッサリとしたもので、その後合格の報せを受けることもなかった。悔しいけれど、これが現実だ。受け入れなければならない。そして、こうした悔しさをバネに奮起することも出来るが、必要以上に引きずってもいけない。かつて河原乞食と言われた役者の世界、仕事があるかないかは運次第という側面もあるし、所詮は博打の世界で生きているようなもの。言うなれば水商売に身を投じているのだ。


常識が通らない世界、そして社会不適合者が権力を振りかざして平気な顔をしている世界。

楽しいお酒を飲んで、楽しく笑って、フラフラとしながらこの世界にぶら下がっていよう。

少年時代、遠い世界の人だと思っていた憧れの方と共演を果たす喜び、様々な人との出会いや交流、時々思いがけず体験する奇跡のような出来事・・・嬉しくて楽しくて、幸せな気分に包まれて、自分は何て恵まれているのだ!と感じることも多い。ポジティブに行こう!!


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