2023年11月14日
「観劇マナーの悪い元東京都知事」という話題でその当事者ではないかと暗に揶揄されている猪瀬直樹氏。著作を読んだことはなく、メディアを通して見聞きする情報、発言、振る舞いなどを見て強い嫌悪感を抱いていた。端的に謙虚さが皆無であり、どんな相手に対しても常に威圧的で居丈高にふんぞり返っている。公の場でのマナーの悪さを指摘されても反省の言葉を述べることはなく、自己流の言い訳に終始する不遜な態度に呆れ、軽蔑してしまう。弁が立つというのは才能ではあるが、わが身の保身のために屁理屈を並べて周囲を煙に巻くというのは悪辣である。言葉の暴力と言おうか、暴力的に言葉を使っているという意味ではかの上岡龍太郎氏を彷彿とさせる(自分に都合の良い講釈を垂れる人物は嫌いなのだ)。
さて件の猪瀬元知事、自分は東急田園都市線の車内で一度見かけたことがある。日中の比較的空いている時間帯、渋谷方面を走る車両に青葉台あたりから乗車してきた。ロングシートの真ん中に大きくガニマタに腰を掛け、何かの資料を読んでいる。姿勢が悪く、まるで酔客が足を投げ出して座っているような体勢。座席に余裕があるから誰に迷惑を掛けているわけでもないが、周囲からはどう見ても「マナーが悪い客」と映るような光景で、テレビで見ている不遜な態度をそのまま切り取ったような姿に自分は思っていた通りだと合点がいった。二子玉川に着く前だから溝の口あたりで降車したか、一見異様な光景であった。都知事を退任した後だったと記憶しているから今から十年近くも前か。どんな立派な経歴があるにせよ人間というのは育ちが出るもの。物腰や言葉遣い、公の場の食事や観劇のマナーにその片鱗が現れる。所詮、田舎育ちなのだろうと調べたら大学を出るまでは地元信州に居たとある。土地柄云々ではなく、幼少から成人するまでの過程で生活環境にソフィスティケイトされた部分がほとんど無かったということだろう。ご多分に洩れず今回の話題でも取材に対し言い訳に終始しているが、告発したツイートを見れば何が真実であったかは言わずもがなだぜ。
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