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執筆者の写真Ryusaku Chijiwa

今、なすべきこと。

更新日:2020年4月9日

2020年4月7日


収録を終えて、しばらくぶりにロマンスカーで帰路につきます。しかしながら、ついに緊急事態宣言が出されたことで当面のスケジュールはすべて飛ぶのだろうと考えると、缶のハイボールにも気持ち良く酔えない気がする。本音としては心穏やかではいられない部分もあるけれど、期間は一か月。この宣言が無意味なものになるようなことは絶対に避けねばならない。危機意識をしっかり持ち、自分の行動によっては感染拡大を招きかねないという緊張感をもって、粛々と、3密を徹底しつつ「STAY HOME」を実践します。ここが堪え時なのだ。


ふと思い出すのは、声優事務所の附属養成所に身を置いていた頃のこと(たかだか15、6年前の事だけど)。最初に入った事務所で3年半を過ごし、ここで自分が世に出ていける可能性はないなと判断して、年齢的に最後のチャンスだと考えての再挑戦。もう自分は正所属になって一日も早く現場に出るしかないのだという強い意志を持っていた時期に、同期の仲間たちから皆で旅行に行こうと誘われたが、僕はそれを断った。何故?と聞かれて、角が立たないように答えたのは「旅行なんて、晴れて正所属になった時に皆で行けばいいんだ。今はそんな時期じゃない。楽しい経験は後になったっていくらでも出来るよ」。念ずれば通ず、自分は60人の同期の中から正所属となった5人の一人になった。現場にも出られた、多くはないけれど主役も貰えたし、アニメでも外画でも、これが代表作ですと言える作品に恵まれた。思いを果たしたのだ(無論、さらに高い目標を目指して役者を続けているけど)。その時に大切なこと、優先すべきことはこれだという信念を貫いたからこそ、僕が村瀬龍作に、風待将監に、伊東甲子太郎に、レナード・ホフスタッターになれたのだ。これは本当に幸せなこと。だから、今回のコロナ禍が終息したのちにだって、楽しいことはいくらでも待っているのだと言いたい。自分の、大切な人の身を守るために、今は何をすべきなのか。それをよく考えてこの一か月を皆さんと一緒に乗り切りたいと思っている。理性ある人間として。


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