2020年7月14日
今日は昼過ぎから台本を受け取りに都心まで出る。途中、ゆっくり食事などすれば3時間、さらにゆっくり買い物などすれば4~5時間のコースで、往復に要する時間はなかなかバカにならないものがある。単発のゲームや長尺の仕事であれば最近は郵送してもらうことが多いので、これは助かる。効率を考えるとこの方法が理に適っているのだけれど、事務所に所属しているとなると、マネージャーが制作会社に出向いて台本とV(映像資料)を持ち帰ってくるタイミングによってはそれを受け取るまでにタイムラグが生じることもあるうえ、自ら事務所へ顔を出さねばならない。組織の一員として籍を置くのだから、スタッフとのコミュニケーションも大事だし、前時代的な体育会系のノリがいまだ色濃く残る業界である、郵送を希望するなどよほどの理由がない限り生意気な奴だとの印象を与える恐れもある。新人の頃に「台本を取りに来ました」などと言おうものなら、「台本は頂きに来るものだろ!」との罵声を受けるのは誰もが一度は経験するところ。フリーになった今、制作会社へ出掛けて行くとインターホン越しに名前と用件を名乗るのだけれど、自分は「台本のピックアップに参りました」と言うようにしている。これもまた、多忙な制作さんが詰めている場所ゆえに間延びしないよう簡潔に、明瞭に言うのはもちろん、言葉を噛んだりしたら声優の名折れである・・・などと頼まれもしないのに身構えたりして、緊張感の走る瞬間でもあったりする(これって自分だけか?)。ともかくも、声優は自分自身が商売道具であり、楽器である。のほほんとしたキャラクターに見えるかもしれないが、プロフェッショナルであるというプライドだけはしぶとく持っている。だから、競争社会を戦い抜いたわけでもなく勝ち残ったわけでもなく、いつしか業界の隅にもぐり込んだ挙句に我こそは勝手知ったる声優でございという風を吹かせる「プロもどき」は好きになれないし、お近付きにはなりたくないね。
で、今日のピックアップは遅めのランチも含めておりました。久しぶりに大好きな一人火鍋にしたけれど、途中でスープにご飯を投入して生卵を落とし、おじや風に味変。10数年同じ店に通って初めてトライしたけれども、スープの持ち味であるシャープな辛味が無くなってしまい後悔。これはやるべきではなかったなと反省したちぢぃーでありました、とさ。
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