2021年2月12日
チック・コリアの代表曲「スペイン」を初めて聴いたのが高校2年生の時、「セレクト・ライブ・アンダー・ザ・スカイ'86」のテレビ放送時だった。中学2年から始めたバンド活動はこの年地元のアマチュアバンドコンテストの決戦大会に出場して特別賞(エンターティナー賞)を受賞するなど最も熱を入れていた時期だったけど、何となく難しいものだろうと思い込んでいたジャズがこんなにも楽しく、誰もが共有できるものなのだということを教えてくれたのがラリー・コリエルとアル・ディ・メオラのギターデュオの演奏だった。この回ののライブアンダーに登場したチック・コリア・エレクトリック・バンドの衝撃は計り知れないものがあり、深夜に放送されたこの番組を見られたのは本当に幸運だったと今でも思っている。アコースティックとエレクトリック、スタンダードとアヴァンギャルド、縦横無尽で宇宙人のように揶揄された稀代の天才、上原ひろみとのコラボレーションもあったし、盟友スティーヴ・ガッドとのバンドも70代半ばを過ぎてなお現役!という余裕すらあり、チックだけは天に召されることなどないだろうと勝手に思い込んでいたのに、まさかこんな日が来るとは思いもしなかった。チック、今日はあなたの話題で持ちきりだよ。誰もが大きな影響を受けた偉大なるマエストロ、私は最大の敬意を表して貴方を悼みます。ありがとう。
ここ数年来気に入って繰り返し聴いていた演奏(当ブログでも紹介済み)。ドラムのスティーヴ・ガッドのソロが大きくフィーチュアされているのでチックのプレイが堪能できる、というものでもないが、とにかく好きなものでね。ヴィニー・カリウタが叩いている動画もあってさらにテクニカルなんだけど、ガッド節健在というところが堪能できるこの余裕の演奏の方に軍配。何と言ってもチック・コリア76歳!スティーヴ・ガッド72歳!世界的な名声を得たプロフェッショナルはかくあるものという姿を見せつけられるようだ。最高!
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