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執筆者の写真Ryusaku Chijiwa

スピリットは置いていません。

更新日:2023年9月28日

2023年9月27日


安く中古の品を手に入れて喜んでいたKentのトートバッグにどうしても取れないシミが付いてしまった。そこでアイビーと言うくくりでは元祖のVANのバッジをフリマサイトで購入したのだけれど、出品者は元々地方のVANショップに長らく勤めていたという有名な方(ブログもあり)。現役を退いて悠々自適の暮らしぶりをしていて、ライフスタイルそのものがVANのファッションと遊びの精神を体現しているところに圧倒された。商品は郵便で届いたがアイビー坊やをあしらった千社札、オリジナルデザインがエンボスに刻印出来るパーソナルシールプレス(オーダーすると5万円はするらしい!)で型押しした封筒、手紙にはVANの名刺まで入っているという徹底ぶり。久々に感化されてこちらも気分を味わいたくなり古本を一冊購入。VANヂャケット博物館、絵本アイビーボーイ図鑑、1995年開催の「永遠のIVY展」のパンフレットと手持ちの書籍に比べてビジュアルは少なく読み物中心でちょっと期待外れ。新しい発見は得られなかった。顧みれば、かつてファッションとしてだけでなく風俗としてアイビーが一世を風靡した時代の記録を憧れと驚きとをもって追いかけた自分であったが、今日「VANでなくては」「Kentでなければ」という独自性と存在意義はきわめて希薄になってしまった。ショップは全国の有名デパートやモールに展開しているけれど、ロゴ物アイテム以外にカスタマーに強く訴求し得る物が一体どれだけあるのだろうか。若年層は店内に足を踏み入れてくれているのだろうか?そういった意味においてはブランドとしては半ば形骸化した存在となってしまっているように見えるが・・。自分にとって、アメリカントラッドをカジュアルに着こなすアイビーファッションが永遠の憧れであることは変わりない。しかし「VAN」物語はもはや過去のものである。ブランドの名前にこだわるのではなく、その精神、哲学を自分は継承していきたいと思っている。


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