そのままの君が好き。

更新日:2020年12月30日

2020年12月27日


劇場用アニメ「走れメロス」(原作・太宰治)

1992年東映系公開

脚本・監督:おおすみ正秋 キャラクターデザイン・作画監督:沖浦啓之

音楽監督:小田和正

制作:ビジュアル80

製作総合管理:電通


自分の原点。初めて足を踏み入れたアフレコ収録現場。キャストとしてではなく、当時通っていた声優スクールの講師である加藤治さんの特別な計らいで、ガヤ(その他大勢)の一人として参加させていただいた、ほとんど社会見学のようなもの。東京テレビセンター(現・IYUNO STUDIOS) での収録はすでに本線を録り終えていて、恐らく数日あるスケジュールの最終日。山寺宏一さんをはじめとする主役陣、当然ながら中森明菜さんの姿もなかったものの、加藤先生の他に上田敏也さんや林原めぐみさんがいらしたことは記憶している(群衆の歓声やシュプレヒコールなどはスタジオの広いロビーにマイクを立てて収録した)。エンドロールのキャストで最後にクレジットされる11人は東京演劇学院声優科の仲間たち。のちに声優として活動するようになったのは自分一人だけだ(ただ、先生が名前をうろ覚えだったようで、数田知佳代→数田ゆう子、千々和竜策→千々和竜榮と誤記されてしまっている。東映さん、DVD化の際はぜひとも修正願います!)。ちぢぃーはまだ23歳、演劇学院に入学してから半年足らず、業界の成り立ちも仕組みも、そして何としてでも声優になってやるのだという高い志も行動力もなかった頃。大きな挫折と敗北感を味わい、人生の退路が無くなって本当に奮起するのは5年後のことだ。遅咲きも遅咲きでのキャリアスタートだった自分が言えるのは、本当になりたいと思ったのならば行動するしかない、ということ。誰かに方法を尋ねている時点でその憧れは叶うものではないと助言しておこう。また、ごく少数ながら10年近くあちこちの養成所を転々としているかつての仲間がいる。自らの判断で潔く線を引くというのも、とても大事なことだ。人生を無駄にしないために。


それにしてもこの作品、当時は「紅の豚」の公開と同時期だったこともあり残念ながら興業的には振るわなかったけれど、見返してみると改めて作品の素晴らしさを再認識する。作画も丁寧だし、声優も現代のように安易にタレントやお笑い芸人をキャスティングしていない(中森明菜は話題集めだったのだろうけど、反響は薄かった)。重厚で、ヒューマニズムに溢れる佳作、今こそ、この2020年代にこそ皆さんに観ていただきたい作品なのである。

小田和正さんのこの曲は、ファンの間では広く知られているのだろうか?劇伴の音楽も素晴らしく胸を打つ。いまだDVD化されていないが、ぜひとも発売して欲しいのだ!!!



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