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執筆者の写真Ryusaku Chijiwa

さらば愛しきルパンよ。

2019年4月20日


モンキー・パンチ先生の訃報を聞く。奇しくも平成の終焉を迎えんとするこの時期に、昭和のコミック・ヒーローを生んだ偉大な漫画家がこの世を去ったのだ。アニメのルパン三世は現在もシリーズが、スペシャル版が継続して制作されている。自身は出演したことはないが、まずもって新作のオンエアを見ることはない。自分の中で、ルパンは故・山田康雄氏の声でなければならない。劇場版で最も人気の高い「カリオストロの城」や、こちらもカルト的な人気を誇るTV第2シリーズのラストの2エピソード(第154話「死の翼アルバトロス」第155話「さらば愛しきルパンよ」)は、脚本・作画の緻密さと完成度は目を見張るものがあるものの、あれはルパンのキャラクターを借りた宮崎駿の個人的趣味の世界であって、私は意固地にも認めないと言い続けている(そりゃ、初めて見た中学生の時は凄い!と思ったのは事実だが)。宮崎氏は「職業声優」を徹底的に嫌っておられるようだから、今後の人生で関わり合う可能性は一切無いわけだし、私のような箸にも棒にも掛からぬ無名声優がここで何を喚こうと誰も注目はしないだろう。話が大きく脱線したが、私が何を言いたのかというと、「ルパン三世」はすでに先生の手を離れ原形をとどめないほどに改作されている。作品すべてに明るくない方々が「ルパン三世」の作品名を耳にしたとき、「あァ、面白かったよなぁ、カリオストロ」「TV第2シリーズのラスト2本は白眉だったネ」などという言葉を、軽々しく口にしてほしくないということだ。あれは純粋なモンキー・パンチ先生の作品世界からはあまりにもかけ離れた作品なのだ。粋で、アダルトな雰囲気が漂う男のダンディズム、先生が追及したヒーロー像を、もう一度追って見直してみたいと思う。



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